2007年7月19日木曜日

Cブロック僧侶研修会



 2007年7月18~19日の2日間にわたり、本年度の教区Cブロック僧侶研修会(基幹運動推進僧侶研修会併催)が十勝川温泉観月苑を会場に開催されました。

 研修会では、本願寺連研中央講師の松野尾慈音師を講師にお招きし、「私とお寺が変わる運動」をテーマに基幹運動について学びました。

 会場には管内はもとより、北見・釧路・根室から約50名の僧侶の出席がありました。

2007年7月16日月曜日

「「布施をする」という生き方」 帯広市 光心寺 桃井直行

 仏教のイメージというアンケートを見たら、「お葬式」「法事」「盆詣り」など、「死んでからいくところ」というのが多かったように思います。皆さんのイメージはどうですか? 確かに人が亡くなった時に、お坊さんの出番がやってくるのは事実です。

 しかし仏教は「死」のみを問題にしてきたのではありません。むしろ、お釈迦さまの教えは「この現実世界を如何に生きるか」を問い続けたのであります。

 特にお釈迦さまは私たちに「布施をする」という生き方を教えてくださっています。布施というのは、さまざまな施しを実践することです。一般的に布施といえば、財産をお寺に施すことをイメージします。これを「財施(ざいせ)」といいます。また仏さまの教えをひろめることを「法施(ほうせ)」といいます。それともう一つ、金品がなくても、仏教の知識がなくても、誰にでも出来る大切な布施行をお釈迦さまは教えてくださいます。それを「無財の七施(むざいのしちせ)」といいます。それは


いつも 慈しみをたたえた 眼差しと

    ほがらかで 柔和な顔色と

    礼儀正しく 温かい言葉で語り合い

    他人のために 骨身を惜しまず

    深い愛情と 敬いの心から

    和やかに 席をゆずり合い

    安らぎの場所を 供養しましょう


 というものです。

 これが、仏法を学ぶものの大切な生活態度ですよと、お釈迦さまは教えてくださいます。しかもその布施の行為は「施しても施したという思いを起こさず、事を成しても成したという思いを起こさない」ものでなくてはならないといいます。

 常に、やさしい眼差しを施しなさい。人に対して決して睨み付けたり冷ややかな目や態度を取ってはいけませんよ。

 とげとげしいイヤな顔はしないように、にこやかに優しく和やかな顔で人に接してくださいね。

 「おはようございます」「ごちそうさまでした」「ありがとうございます」などの優しい、ぬくもりのある言葉を使うように心がけてくださいね。

 気遣いや思いやりの心をもって、ひとに接してください。また、ひとを不愉快な気持ちにさせるような態度をとったりしてはいけませんよ。

 小さい子どもやお年寄りに席を譲ってあげなさいよ。また、ひとが訪ねてきたときに、早く帰れと言わんばかりの態度を取ってはいけませんよ。

 以上の七つが、お釈迦さまが教えてくださる、大切な布施行なのです。決して難しいことではないのですが、なかなか実践することは出来ないことです。特に、俺が・私が「せっかくしてやったのに」という心がすぐに起こってしまう。最初は浄土の心持ちで布施の行為をしていたのに、相手の反応によってはあっという間に地獄の心で相手を切り刻んでしまう。そんな心が私の心なのです。そんな姿が私の正体なのです。そのことを見越してお釈迦さまは「施しても施したという思いを起こすな」とおっしゃいます。

 こんな些細なことさえも、実は私には出来ないことなのですよ、と、お釈迦さまは我々に教えてくださっているのです。

 それでは、お釈迦さまは私に何をすべきとおっしゃるのか? それは、やはり布施をしなさいというのです。何かするとおごりの心をおこし、またすぐにカッとなって怒りの心を起こしてしまう私だけれども、それでも今の私に出来る精一杯のことをさせていただく。布施の一つも出来ない私であったと頷きながら、まねごとでもいいから布施行をさせていただくことこそ、仏法を学ぶものの生き方であります。

 南無阿弥陀仏。

2007年7月12日木曜日

仏教婦人大会



 2007年7月12日、帯広別院本堂において、十勝組仏教婦人会連絡協議会第52回大会が開催されました。 252名が参加、講師に上川南組の永江雅俊師をお迎えし「仏道を歩む - いのちの地平線から、メッセージ -」というテーマで、チェルノブイリ原発事故の被爆者の子どもたちとの触れあいを通し、わかりやすく講演いただきました。

2007年7月6日金曜日

東西交流ソフトボール大会


 2007年7月6日、今年で3回目となる東西本願寺の交流ソフトボール大会が札内川河川敷で行われました。
 管内の本願寺派(西)、大谷派(東)の若手僧侶ら約40人が参加のもと、対抗戦では終盤に木野光明寺臼井教生さんの逆転満塁ホームランが飛び出した西チームが勝利を収めました。

2007年7月1日日曜日

「お慈悲を生きる」 豊頃町 大正寺 高田芳行

 お電話ありがとうございます。こちらは十勝組と西別院テレホン法話です。

 仏説無量寿経には「仏さまのこころは大きな慈悲のこころ」と説かれています。

 親鸞聖人もご和讃に「お釈迦さまは慈悲のお父さん、阿弥陀さまはお慈悲のお母さん」と著されています。

 仏さまにおいて慈悲は、もっとも重要な意味を持つ言葉と言われています。

 慈悲の「慈」とは相手に楽しみを与えることで、「悲」とは相手から苦しみを抜き去ることです。この慈悲を体得して、相手を差別しないで慈悲をかけるものが「覚者」[かくしゃ]、すなわち仏であり、それを象徴的に表現したものが、観音菩薩、地蔵菩薩といわれています。

 やさしくいうなら、慈悲とは「相手と共に喜び、共に悲しんであげる」ことでありましょう。やわらかい言葉に置き換えれば「あたたかな心」ともいえましょう。

 昔、あるところに、勝円さんという慈悲深いお坊さんがいました。いつも仏さまの教えを熱心に勉強していました。

 風の強い寒い夜でした。いつものように経典を読んでいると、外から人の泣き声が聞こえて来ました。声を頼りに出て行くと、一人の男が丸裸で震え泣いていました。これを見て自分の着物を脱いで、その男に着せてやると男は「ありがとうございます。けれど、これだけでは足りません。もう一枚着せてください」と言ったので、今度は自分の肌着を脱いで、自分は裸になって着せてあげました。男は次に「あなたのところへ行って火にあたらせてください」と言いました。勝円さんは「いいですよ」と言い、手を引いて連れて行こうとすると「どうか背中に負おうってください」と言うから、男を負んぶして、寺へ帰って来ました。寺に入ると男は「早くこたつをしつらえて、それからあたたかいものを食わせてください」と言いました。勝円さんは、急いで火を起こし、こたつを作り、台所へ行っておかゆを作り始めました。おかゆが出来たので持って行くと、こたつの中にも、部屋の中にも男の姿は見えませんでした。すると本堂から「ここにいるぞ」と声がします。本堂にいくと、仏さまが、自分が脱いで男に着せた着物を着ていました。驚いた勝円さんが仏さまに礼拝[らいはい]すると、仏さまは「あなたの慈悲の心は、とても深いので感心しました。これからも、しっかり仏の教えを学びなさい。あなたは必ず仏になります」といわれました。


 勝円さんは仏さまの心を学び、実践した人でした。

 以前にある方から「慈悲を語るお坊さんはたくさんいるけれど、慈悲のこころを実践しているお坊さんは少ないように感じます」と言われハッとし、恥ずかしく思ったことがありました。

 私たち念仏者は南無阿弥陀仏のお念仏のみ教えを通して仏さまのお慈悲、あたたかい心を頂戴して日暮らししています。勝円さんのようにはなかなかいきませんが、仏さまからいただいたお慈悲、あたたかい心を少しでも周りの人に広げていくことが、お慈悲に生きることと理解し、お互いに出来ることから、ご一緒に実践していきましょう。

 今回の担当は、豊頃町、大正寺、高田芳行でした。